代表挨拶
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突然ですが、パイ好きな皆さんに質問です。
大切なパイの思い出、ありますか?
私のパイの思い出は、土曜日に食べたミスタードーナツのミートパイ。私のパイの思い出は幼少期に遡ります。私の実家は、埼玉で小さな店を営んでいました。
連休は盆と正月くらいしか無く、他の家庭のように家族旅行で遠出することは少なかったのです。だから両親の私への罪悪感なのか、外食を喜ぶ私をいろんなところに連れて行ってくれました。
その中でも決まって毎週土曜日は、学校帰りの私を連れて駅前の「ミスタードーナツ」。母はフレンチクルーラー、父はオールドファッション、そして私はミートパイ。
二人とも戦前生まれで、アメリカ映画の影響を受け、父はエルビスプレスリーが大好きでした。少しでも暇があるとハーレーダビットソンに乗っていたような人でした。50〜60年代の古き良きアメリカ音楽を愛し、店内で流れるオールディーズを楽しんでいたことが思い出されます。
一方で、そんなことはどうでもよい私は、ドーナツではなくミートパイの方が好きでした。温めるとバターのほのかな香りとトマト味が強いミートソースが私の食欲を駆り立てたのです。
あれから約35年という年月が経ち、両親は他界しましたが、今でもミートパイを口に含むと、あの頃の何気ない家族の時間を思い出します。
それはパイの味だけではなく、パイがボロボロこぼれて汚れるテーブル、口の周りがパイだらけになる手や顔、オールディーズを聴きながら音楽に合わせてテーブルに指を打ち続ける父、薄いアメリカンコーヒーなのに大量にミルクを入れている母。などなど。
味覚だけではない全ての記憶が走馬灯のように蘇ります。きっとミートパイの層と層の間にある軽やかな空気には、いろんな記憶が含まれているのかもしれません。
さあ、皆さんにはパイにどんな記憶がありますか?
日本の皆さんに、1人ひとりの楽しいパイの記憶が生まれますように。私たち日本パイ倶楽部の想いを伝えていくことができればと思っています。
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小さいころから、パイのお菓子が大好きでした。
パイはとても高級なお菓子で、パイを置いているお店に行くとなんとなく「このお店はすごいんだ!」ワクワクし、そのパイ菓子を食べると何とも大人になった気分になったものでした。
大人になり、パイを作り多くのお客様に原料としておススメする立場となった時、ふとこの「高級感」「複雑な作り方」がパイの普及の邪魔をしていることに気づきました。
パイという「素材」はどんな材料と合わさってもその材料を引き立てる万能の素材であるにも関わらず、実に地味でありながら手間のかかるわき役とされることが多かったのです。また、パイの食感が「なんだかきれいに食べられない」と、この食感が幸せを作り出すのにも関わらず、デートなどで最も選ばれないスイーツとなっていました。
こんなに日陰で主役に必死でスポットライトをあてて際立たせる万能な素材が、このまま日の目を浴びずにいるのはもったいない!もっともっとパイの魅力を日本中に知ってもらいたいという想いでこの日本パイ倶楽部の代表をさせていただいております。
今後パイが皆さんにもっと身近で親しみやすい、わかりやすい素材として認知していただけるよう、この倶楽部を盛り上げてまいります。
役員紹介
- 理事 藤井 青銅
放送作家 作家 作詞家
オフィスDEM 代表 - 理事 門上 武司
フードコラムニスト
株式会社ジオード 代表取締役 - 理事 伊豆田 千加
プロデューサー
フードニアジャパン株式会社 代表 - 監事 風間 純子
プロデューサー・映像プロデューサー
株式会社オブザアイ 代表取締役 - 評議員 柏原 聡
カメラマン
株式会社オブザアイ - 名誉顧問 平野 顕子
松之助オーナー